相続とは、人の死亡を原因として資産も負債もそのまま引き継ぐことで、亡くなった人を被相続人、引き継ぐ人を相続人と言います。誰が相続人になるかは民法で定められています。相続が起きた場合には、遺言書の有無、相続人の確定、財産目録作成に始まり、相続の中でも一番重要な不動産に関する登記（相続登記）に至るまで、様々な手続きが発生します。
相続登記をしなければならない期限の定めはありませんが、放置しておくと相続人が大人数になり、疎遠になったあるいは見知らぬ共同相続人との分割協議を成立させなければならないなど、複雑かつ困難になるおそれがあります。また、対象不動産を売却・贈与する場合、対象不動産を担保にお金を借りる場合等にも、前提として相続登記を行う必要があります。相続が開始した時は、早急に登記をされた方が賢明です。
被相続人からの生前の贈与、被相続人を看病した場合の考慮、相続税にかかる金額、遺言書の発見、負債がある場合等、様々なご相談に対して、的確なアドバイスと、素早く丁寧なお手続きをいたします。どうぞご相談ください。
法に定められた一定の事柄を国（法務局）が管理する帳簿や台帳に記載することです。登記の手続きをすることを「登記を備える」といった言い方をします。
相続の中でも一番重要な不動産に関する登記のことです。被相続人から相続人への不動産の名義変更（所有権移転登記）を主としています。
所有者の名義変更のことで、不動産売買等のケースで最も重要になる手続きです。
動産の売買においては、売主・買主が売買の契約を締結し合意した時点で取引が成立し所有権が移転します。しかし、不動産は登記を備えて初めて全ての手続きが完了します。登記を備えておかないと第三者に対して所有権を主張（対抗）する事ができません。
例えば、買主が売主に代金の支払いを終えたものの移転登記をおろそかにして、その後、売主が別の買主に売却し登記も備えてしまうと、不動産は、別の買主の所有になってしまいます。代金支払いの先後ではなく、登記の先後が重要なのです。
通常、物件引き渡しの時は、残代金支払いの場に司法書士が立会い、登記に必要な当事者からの書類を整え同日に法務局に申請します。言い換えれば、立会の時に司法書士が同席せずに決済をすることは極めて危険でしょう。取引安全の確保の為、司法書士立会のもとですることが肝要です。
ここで言う第三者とは、全く関係の無い人という意味の“第三者”ではありません。
例えば、私が売主Ａさんから土地を購入したとしましょう。同時期にその契約を知らないBさんもその土地をAさんから購入したとしましょう。このような二重の売買が生じることはあり得るのです。その時、「私から見ればBさん」、「Bさんから見れば私」が“第三者”にあたります。民法ではこのような事例の場合、不動産は「（移転）登記」をしなければ所有権を主張（対抗）できないと定めています（公示の原則）。
このように、私がBさんに「自分の土地だ」と主張できるのは、移転登記をしてからと言うことになります。
不動産取引において決済とは、買主が売主に売買代金全額を支払うと共に登記その他全ての手続きを完了させることをいいます。通常不動産取引は、契約時に手付金を支払うことになりますので、差し引いた残金を支払うことで決済が完了します。
同時に売主から買主へ不動産の所有権が移ります。これを引き渡しといいます。